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校長ブログNo.43 生命の時間

修了式の後の離任式でのことである。
「私的な話をしてもよいですか」と前置きをしてから話を始めた。
大学で4年間、中高で4年間お世話になった。中高に着任してからは、朝は3時から3時半頃に起床し、英語のレッスン(平成27年度8月 手術をしてからはリハビリ体操)をし、入浴、読書、朝食、出勤(午前5時40分頃)… 学校には午前6時35分頃到着。
(すぐに職務開始をする。昇降口で生徒を迎え、朝の読書や授業を参観する。学校の一日はやりたいことが山積しているので、あっという間に時間が経過し、一日が終わってしまう。初夏の夜、心地よい風に吹かれ月を仰いで帰途についたこと、四季折々の自然との語らい…)

中高に着任する前は2~3ヶ月に1回は海外に出向いていた。通算すると34~35ヵ国を訪ねたが、この4年間ではコスタリカの日本人学校を訪ねたくらいである。
昭和23年生まれ23歳と話をすると笑いが起こる。計算をすれば分かるはずであるが笑いの対象になってきた。実際は今年の7月を迎えると69歳になる。
(ここで、ものすごい歓声!これは何を意味するのか?と自問しながら、歓声にあおられ、このまま職務を遂行すると体力的に迷惑をかけてしまうのではないかと危惧していること、また、自分の生命の時間を考えると、どうしても取り組みたいことが三つあることを伝えた。)

一つ目は、自称「地球号乗組員」「世界の旅人」である。元気なうちにストップしている世界の旅を再開したい。
二つ目は、「秘密の話ですが、実は私は最高齢院生です。押谷由夫研究室で道徳の研究をしています。来年は卒業年度で、修士論文を書かなくてはなりません。勉強に集中したいと考えています。」と。
(秘密という言葉を発したら、生徒の関心度がぐっと高まった。たいした秘密ではないことはすぐに分かったようである。)
三つ目は、高木教育研究所を開きたい。自宅の応接間で、「お茶とクッキーは何時でもあります。悩んでいる先生方いらしてください。何ができるか分かりません。何もできませんが、聞くことはできます。」という場をつくる。
お話を聞いてお役にたてるようにするには、教育の最前線の情報を持っていることが必要である。道徳教育が平成30年度から小学校で教科化(中学校は平成31年度から)、英語教育の導入も本格化し、さらにプログラミング教育も入る。多くのまじめで一生懸命な先生方のために何かできないか、今まで教育に関わりお世話になってきたお返しができないか、そう考えて学ぶことを始めたのが最高齢院生のきっかけである。
(学んでいると目から鱗といえる出来事が多い。もっと早く知っていたら教育的な対応が変わっていたのではないかという気づきもある。新しい知識を得る感動も大きい。
生徒には共に競争して学びましょう。負けませんよと勝負を挑んだ。学ぶことに年齢はない。若さは年齢ではなく気持ちの持ちようであると都合のよい諺を引いて自らを鼓舞している。)
三つ目は生命の時間が許す限りライフワークにしたい。

修了式の後、6日ほどしてから生徒から手紙をもらった。
~略~ 学校見学に来たときのこと、入学式、学校生活や部活動のこと、日頃の校長講話で話題にしている「やる気・元気・根気を胸に本気で」心構えのこと、卒業式の式辞で話した「辛い」の「辛」に一本辛抱という棒(―)を加えると「幸」(しあわせ)になること、自分に挑戦する精神を学んだことなどをあげ、自らの成長と今後の夢を綴っている。将来、助産師になり、たくさんの赤ちゃんを救い、お母さんになろうとしている人を安心させることができる人になりたい。 私が60代70代になったら、子どもがほしくてもできない人や金銭の問題で子どもを棄ててしまう人が気軽に相談ができる場所を設けたい。赤ちゃんの幸せが第一です。そして、助産師としてはもちろんですが、一人の女性として、人を差別しない、優しい女性でありたいと思っています。偏見のない人間でありたいと思っています。~略~
手紙の中の「球技大会・運動会・文化祭…何時でも戻ってきてください」との記述にはやられた。ほろりである。

返信をしたためた。
さらに、『 “夢は叶う 夢は叶えるもの” いつも応援しています!』と家政ポストカード(梅、椿、桜、睡蓮、バラのキャンパスの花をあしらった)を添えた。

離任式で話をした後、本校の教員から真顔で問われた。「公立私立共に相談ができますか」と。「悩んでいる人はどなたもOKです。」と返答をしたが、ビールはありませんと混ぜ返した。心遣いにぐっとくる。こうした言葉もあたたかな波紋を胸の中で広げている。出会えたことのありがたさを想う。

どんな人に出会えるか、出会いが人生を左右するといっても過言ではない。また、出会いが人生の財産にもなる。
4年間に多くのご縁をいただいた。
「感謝!」である。
そして、いただいたご縁を大切に、これからも生命の時間が許す限りご縁を紡いでいきたい。

 

2017年3月29日

2017ポストカード花2