Vol.08

サッカーのワールドカップが開幕しました。
日本代表の活躍に期待しながら、スポーツ観戦好きの私は別の大会の開幕も心待ちにしています。
テニスの4大大会の一つ、全英オープンです。
この時期になると、学生時代によくテレビでテニス中継を見ていたのを思い出します。

当時好きだった選手は、ジョン・マッケンローとシュテフィ・グラフでした。
マッケンローはサーブ&ボレーを武器にネットへ出るプレースタイルで知られています。
一方のグラフは、強力なフォアハンドを軸としたオールラウンドプレーヤーでした。

プレースタイルは異なりますが、二人には共通点がありました。
それは、バックハンドでスライスを多用していたことです。

最近のテニスでは、強く回転をかけた両手バックハンドが主流です。そんな中で見ると、スライスはどこか地味な技術に見えるかもしれません。
けれど私は昔から、そのスライスが好きでした。
相手の勢いをかわし、リズムを変え、次の展開をつくる。
派手なショットではありませんが、試合の流れを変える力を持っています。

そういえば、卓球でも同じような選手に目が向きます。
最近活躍が目立つ女子卓球の橋本帆乃香選手はカットマンとして知られています。
相手の強打を受け止めながら粘り強くラリーを続け、少しずつ試合の流れを引き寄せていく姿には独特の魅力があります。
また、女子テニスの伊藤あおい選手はかなりユニークな選手です。フォアハンドのスライスを多用するプレースタイルにも、似た面白さを感じます。
相手と同じ土俵で力勝負をするのではなく、自分の持ち味を生かしながら試合を組み立てていく。その姿が印象に残ります。

もちろん、スポーツの世界では強力なサーブや豪快なスマッシュ、鋭いドライブが注目されます。
それはそれで見応えがあります。
けれど私は、昔から少し違うところに目が向くようです。
相手の力を受け止めたり、流れを変えたり、自分らしい形で勝負したりする選手に惹かれます。
そう考えると、サッカーで一番好きな選手が中村俊輔選手だったのも、偶然ではないのかもしれません。

校長 荒籾 和成