Vol.21

今日は、2学期の始業式でした。
本校では、入学式や卒業式だけでなく、始業式や終業式でも校歌を歌います。今日も、全校生徒で三番までしっかり歌いました。

私は、本校の校歌がとても好きです。
作詞は、本学の学長を務め、生活信条「愛情・勤勉・聡明」を提唱した青木誠四郎先生。作曲は、東京音楽学校(現在の東京藝術大学音楽学部)で学び、のちに同大学の教授も務めた作曲家の長谷川良夫先生です。

五七調を基調とした歌詞は口なじみがよく、声に出して歌うと自然なリズムがあります。一方で、使われているのは、今では日常で耳にすることの少ない文語調の言葉です。そこには品のよさと格調の高さがあり、一つ一つの言葉にも美しさを感じます。

生徒たちにとっては、初めて歌ったときから、その意味がすべてすっと入ってくるわけではないかもしれません。それでも、入学してから何度も歌い、歌詞を覚えていくうちに、少しずつその言葉が自分のものになっていく。校歌には、そんなところもあるように思います。

一番は、「鳥うたう緑の丘辺」から始まります。
「やわらぎの手をとりかわし」、そして「いと高きのぞみにもえて」。
緑豊かなキャンパスに集い、仲間と出会い、これから始まる学校生活に希望を抱く。そんな生徒たちの初々しい姿が浮かんできます。

二番では、「いさおしの歴史をしのび」、そして「新しき智恵と技術(わざ)とを」「いざやみがかん」と歌います。
受け継がれてきたものを大切にしながら、新しいことを学び、仲間とともに自分自身を磨いていく。学校で日々学ぶ生徒たちの姿と重なります。

そして、本校の校歌には、二番と三番の間に間奏があります。
私は、ここに間奏が入るのも好きです。
二番まで歌ったところで、いったん言葉が途切れ、前奏と同じメロディーがもう一度流れます。

そして三番へ。
「はるかなる試練の道を/ふみこえて進む乙女ぞ」
この一節を歌うとき、学校での学びを終え、それぞれの未来へと歩き出していく生徒たちの姿が浮かびます。特に卒業式でここまでくると、目の前の卒業生たちの姿と歌詞が重なり、胸に込み上げてくるものがあります。

一番、二番、三番と言葉を重ねていくうちに、生徒たちの成長を追っているような気持ちになります。そしてそこには、本校が大切にしてきた「愛情・勤勉・聡明」も重なって見えてきます。

歌詞だけではありません。言葉がはっきりと耳に届く美しいメロディーも、この校歌の魅力です。それぞれの節は静かに始まり、歌い進むにつれて少しずつ気持ちが高まり、最後の「いざや」の言葉へと向かっていきます。長く歌い継がれてきた理由の一つは、この歌詞と旋律の見事な重なりにもあるのかもしれません。

今日、2学期の始まりに、生徒たちと一緒に三番まで校歌を歌いました。
入学したばかりの頃には少し遠く感じた言葉も、何度も歌ううちに覚え、いつしか自分たちの歌になっていく。

これからも、学校で過ごすさまざまな時間とともに、この校歌を歌い継いでいってほしいと思います。

 校長 荒籾和成

*校歌の歌詞と音源はこちらからご覧いただけます。  本校の校歌(歌詞・音源)