Vol.31

 昨日、東京家政大学140周年記念館の竣工式が行われました。

 計画から竣工まで、長い時間をかけてようやく完成したこの施設。そのコンセプトは「つなぐ」です。
「時代をつなぐ」
「場所をつなぐ」
「人をつなぐ」
その象徴となる建物です。

設計を担当した建築事務所によると、建物は「伝統・現在・未来」という三つの時間軸から構想されているそうです。
下層階には、学園の歴史や伝統を継承する東京家政大学博物館が入り、上層階の5階から8階には、新しい学びの拠点となる「ガーデン」が設けられました。
私も竣工式に出席し、この「ガーデン」を見学しました。最新の設備を備えた空間に、新しい学びの可能性を感じ、胸が躍る思いでした。
この施設が、中高生にとっても、大学の学びや学園の歴史に触れる場所になってくれたらと思います。

そして、「現在」を象徴するのが、人々が集い、交流する場となる大屋根です。
その下に広がる空間は「つなぐ広場」と名付けられました。
ここは、十条駅側からの学園の玄関となる十条門から、人々を迎え入れる場所でもあります。

竣工式が終わった夕方から、いよいよこの広場を通行できるようになりました。
特に中学生にとっては、待ちに待った日でした。
というのも、工事の期間中、十条門から中学昇降口までの登下校ルートがふさがれていたため、中学生は2年以上にわたり、キャンパス内を何分もかけて迂回していたからです。
それが、記念館の完成によって、大屋根の下を通り、最短ルートで校舎と十条門を行き来できるようになったのです。

夕方5時半過ぎ、私は部活動を終えた生徒たちが下校していく様子をしばらく見ていました。
生徒たちは、広場を歩き回ったり、ベンチに座っておしゃべりしたり、新たに開かれた場所をさっそく楽しんでいました。
その笑顔と歓声から感じられたのは、遠回りをしなくて済むという便利さ以上に、新しい場所に出会えた喜びや期待でした。

ふと、140周年記念館の方から、中学生たちの様子を見つめている人がいることに気づきました。
この施設を設計された方でした。
近くに行って声を掛け、少しお話をしました。
長い時間をかけて構想し、形にしてきた場所を、生徒たちがこんなにも楽しそうに使っている。その姿を目の当たりにして、とても感激されているようでした。
つくった人と使う人がつながった瞬間だと思いました。

これからこの場所に多くの人が集い、さまざまな出会いやつながりが広がっていくことを願っています。

校長 荒籾 和成