春になると、校内のビオトープの一角にニリンソウの花が咲きます。
二輪ずつ寄り添うように咲くその姿は、とても控えめでありながら、どこか心に残るあたたかさを感じさせてくれます。
ニリンソウは、地下の根茎でつながりながら群生する植物でもあります。
地上ではそれぞれが静かに花を咲かせながら、見えないところで互いに支え合っている――その姿に、私はこの学校が長く大切にしてきた人と人との関わりのあり方を見るように思います。

本校は建学の精神として「自主自律」を掲げています。
それは、自分で考え、自分で選び、自分の歩みをつくっていく力を育てるということです。
しかし同時に、それは決して一人で成り立つものではありません。

人は人との関わりの中でこそ育ちます。
互いの違いを認め合い、相手の立場を想像しながら関わろうとすること――そうした姿勢は、本校の生活信条である「愛情・勤勉・聡明」に通じるものだと思います。

この三つの言葉は、本校の学びと生活の土台となるものです。
その中でも私は、とりわけ「愛情」を大切にしたいと考えています。
それは、互いを尊重し合いながら安心して過ごせる関係を育てること、そして一人ひとりが自分らしく成長していくことを支える土台でもあります。

この春、校長として新たにこの学校に関わることとなりました。
ニリンソウが寄り添うように咲く姿に重ねながら、生徒一人ひとりが自分らしく成長し、互いに支え合いながらともに育っていく学校でありたいという思いを新たにしています。
これからも本校の歩みを、折にふれてお伝えしてまいります。

校長 荒籾 和成