Vol.05


風薫る5月になりました。
校内を歩いていると、新緑の間を抜ける風が心地よく感じられる季節です。

ビオトープの池には、今年もスイレンの花が咲きました。
毎年きれいな花を咲かせてくれて、これからしばらくの間は、その姿を楽しむことができます。

ところが、その少し前のことです。
池の一角に、見慣れない青紫色の花が咲いていることに気がつきました。

これまでビオトープでは見たことのない花です。

写真を撮って調べてみると、どうやらカキツバタらしい。
けれど、ビオトープの周囲にカキツバタが植えられているわけではありません。

「なぜここに咲いたのだろう?」

そんなことを考えているうちに、ふと思い出したことがありました。

2021年と2022年の春、ビオトープの池につがいのカモがやってきて、しばらく過ごしていた時期がありました。

ここ数年姿を見かけなくなっていたので、思い出すまで少し時間がかかりましたが、調べてみると、カキツバタは種から育てると花が咲くまでに3年以上かかるそうです。

もちろん本当のところはわかりません。
けれど、もしかすると、あのカモが運んできた種が育ったのかもしれない――そんな想像をしてしまいました。

思いがけない出来事に、自然の不思議を感じます。

カキツバタには「贈り物」という花言葉があるそうです。

もしあのカモたちからの4年越しの贈り物だとしたら――そう思うと、何とも言えないうれしい気持ちになりました。

校長 荒籾 和成