Vol.16

今週月曜日で夏期講習が終わり、学校は部活動の夏期合宿や大会、コンクールに向けた練習が本格的に始まりました。
お昼過ぎに校内を歩いてみると、教室や廊下はシーンと静まり返っています。

そんな中、自習室をそっとのぞいてみると、そこには黙々と机に向かう高校生の姿がありました。
考査前ほどの人数ではありませんが、利用者名簿を見ると全員が高校3年生。それぞれが自分の夢の実現に向けて、受験勉強に励んでいました。

この自習室は、生徒から募集した名称で「NGUルーム」と呼ばれています。“Never Give Up!” の頭文字を取った名前です。
エアコンの効いた室内は涼しく、とても静かでした。しかし、その空間には、目には見えない熱が満ちているように感じました。

受験勉強は孤独な戦いと言われることがあります。
けれども、自習室を見ていると、私はそうではないように思います。
それぞれが仕切られたブースで机に向かっていても、同じ空間で、それぞれの目標に向かって努力する仲間の存在は、大きな励みになるのではないでしょうか。

もう30年前、初めて担任をした高校3年生のことを思い出しました。
自由登校になった2月、何気なく教室をのぞくと、生徒たちは教室の四隅に離れて座り、それぞれ静かに机に向かっていました。
誰も話をしていませんでしたが、その姿から伝わってきたのは、受験に向かう真剣さと、同じ目標に向かって努力する仲間の存在でした。

自習室で机に向かう今の高校3年生にも、あの日と同じ熱を感じました。
もちろん、声を掛けることはしませんでした。
心の中で、「頑張れ」とエールを送りながら、その場を後にしました。

学校の自習室で机に向かっている生徒だけではありません。
多くの高校3年生が、それぞれの進路実現に向けて努力を続けています。

そして、本校を目指して受験勉強に励んでいる皆さんも、今、それぞれの場所で同じように机に向かっていることでしょう。

思うようにいかない日もあるかもしれません。
それでも、一つできるようになったことや、自分の努力が積み重なっていることに目を向けてほしいと思います。

今はそれぞれ違う場所で机に向かっていますが、同じ目標に向かって努力している仲間がいることは、大きな励みになるはずです。
この夏の静かな努力は、きっと皆さんの未来へとつながっていきます。

 校長 荒籾 和成