Vol.23
「あのお店を見つけて、ほっとしました。」
日曜日に、中高の同窓会組織である白鳩会の懇親会が開かれました。
例年よりも多くの卒業生に加え、すでに退職された先生方も参加され、懐かしい話に花が咲く、にぎやかな会となりました。
その中で、久しぶりに学校を訪れたお二人の先生のお話が印象に残りました。
十条駅を降りると、駅前にはタワーマンションが建ち、ロータリーも整備されています。お二人とも、その変わりように驚かれたそうです。
線路沿いを歩けば学校に着くはず。
そう思いながら歩いていても、あまりに景色が変わり、少し不安になったといいます。
そんなとき、昔からある中華料理店が目に入りました。
「あのお店を見つけて、ほっとしました。」
面白かったのは、お二人とも同じように、そのお店を見つけて、この道で間違っていないのだと安心したと話されていたことです。
街の風景は、時代とともに変わっていきます。
学校の中にも新しい建物が建ち、昔とは変わったところがたくさんあります。
一方で、懇親会で卒業生の皆さんのお話を聞いていると、変わらないものもあるのだと感じました。
「温かい人のつながりがある学校だった。」
そんなことを、何人もの方が懐かしそうに話していました。
もう一つ、心に残った場面があります。
この3月に退職された先生のご挨拶です。
その先生の周りには、かつて教えた卒業生が十数人集まっていました。
先生は、教員という仕事を選んでよかったと話されました。
教育は、すぐに結果が出るものではない。
でも今日は、その結果が目の前にいる。
卒業した皆さんが楽しく過ごしている姿を見ることができて、こんなに幸せなことはない。
そんなお話でした。
その言葉を聞きながら、時間がたったからこそ感じられる喜びがあるのだと思いました。
この日の会には、昭和の時代に卒業された方から、この3月に卒業したばかりの方まで、さまざまな世代の卒業生が集まっていました。
街も、学校も、そして人も、時間とともに変わっていきます。
けれど、変わらないものもある。
そして、時間がたって、初めてわかることもある。
昔からある一軒の中華料理店にほっとしたというお話と、卒業生に囲まれた先生の言葉。
一見まったく違う二つの出来事ですが、どちらにも、流れてきた時間がありました。
人と人とのつながりも、きっとその時間の中で育まれてきたものなのでしょう。
昨日の白鳩会は、そんなことを感じる一日になりました。
校長 荒籾 和成
