Vol.22

先週、本校ではKASEI Challenge Weekを行いました。
中学1年生から高校2年生まで、それぞれの学年でさまざまな体験や学びを通して、自分の将来について考える一週間です。

高校2年生では、政策研究大学院大学の西垣淳子先生をお迎えし、AIと共生するこれからの社会について、これから求められる力や、自分の未来をどう描いていくのか、お話を伺いました。

その中で、心に残った言葉があります。
「何になりたいか」だけではなく、「どういう自分になりたいか」を考える、ということです。

私たちは将来について考えるとき、つい「何になりたい?」と問いかけます。
もちろん、目指したい職業があることは素敵なことです。
でも、まだそれが見つかっていない人もいるでしょう。
そんなとき、「何になるか」から少し離れて、自分はどんな人でありたいのかを考えてみると、そこから見えてくるものもあるのかもしれません。

西垣先生のお話を聞きながら、もう一つ、思い出した言葉がありました。
東京家政大学の卒業生で、現在料理家として活躍されている長谷川あかりさんの言葉です。
長谷川さんは、東京家政大学家政学部栄養学科管理栄養士専攻を卒業され、今年度、卒業生の功績をたたえる渡邉辰五郎賞の奨励賞を受賞されました。
私もその授賞式に出席し、その後、長谷川さんの講演を聞く機会がありました。

その長谷川さんが大学生と対談する様子が、東京家政大学の受験生向けInstagramで紹介されています。

その中で長谷川さんは、自分の将来を考えていた頃を振り返り、自分がしたいことも大切だけれど、「ここを変えていきたい」と感じるモヤモヤや課題意識のある分野に進んだ方が、自分は頑張れる気がした、と話していました。
そして、「家庭料理をアップデートしたい」
そんな思いから考えていった先に、料理家という一つの道が見えてきたそうです。

「どういう自分になりたいか」
「ここを変えていきたい」
お二人の言葉は違いますが、どちらも「何になりたいか」という問いだけから未来を考えているわけではありません。

自分はどんな人でありたいのか。
自分の周りに目を向けたとき、何に心を動かされ、何にモヤモヤするのか。
そして、自分はそこにどう関わっていきたいのか。
そんなことを考えていく中で、自分と社会との接点が少しずつ見えてくる。
その先に、学びたいことや進みたい道、そして自分の未来がつながっていくこともあるのだと思います。

「何になりたいか」が、まだわからなくてもいい。
「どういう自分になりたいか」
「何を変えていきたいか」
未来について考えるための問いは、一つではありません。

KASEI Challenge Weekが、生徒たちにとって、そんな「未来への問い」に出会う一週間になっていたらと思います。

校長 荒籾 和成