Vol.11

サッカーのワールドカップでは、日本代表がノックアウトステージ1回戦でブラジルと対戦し、惜しくも敗れました。

グループリーグの組み合わせが決まった時から、「くじ運に恵まれなかった」という声が聞かれました。
また、大会前には三笘選手や南野選手がけがで出場できず、復帰が期待されていた遠藤選手も間に合いませんでした。
さらに、初戦では久保選手も負傷してしまいました。

「もしあの選手がいたら。」
「もう少し組み合わせに恵まれていたら。」

そんな思いは、大会前から多くの人が口にしていました。
そして、ブラジル戦を終えた今でも、「もし」という思いが心に残っている人は少なくないのではないでしょうか。
私も試合が終わった後、そんなことを考えていました。

その時、以前読んだSNOOPYの本の一節がふと頭に浮かびました。

「配られたカードで勝負するしかないのさ・・・」

英語では、
You play with the cards you’re dealt…
と書かれています。

最初に読んだ時は、「与えられた状況は受け入れるしかない」という意味なのだと思っていました。
けれど、今回のワールドカップを見ていて、今は少し違うように感じています。

配られるカードは、自分では選べません。
組み合わせも、巡り合わせも、思いがけない出来事も、自分の思い通りにはならないことがあります。
でも、そのカードでどう勝負するかは、自分で考えることができます。

今回の日本代表も、決して恵まれた状況ではありませんでした。
それでも、その時に手元にあるカードで最後まで戦い抜こうとする姿に、多くの人が心を動かされたのではないでしょうか。

考えてみれば、私たちの日々にも、同じような場面があるように思います。

配られるカードは、人それぞれです。
思い通りにならないこともあります。
「なぜ自分だけ」と思うこともあるかもしれません。
でも、配られたカードを眺めているだけでは、ゲームは始まりません。
そのカードでどう勝負するか。
そこから、その人らしい物語が始まるのだと思います。

 「配られたカードで勝負するしかないのさ・・・」
少し肩の力を抜きながら、「それなら、このカードでやってみるか。」と思わせてくれる。
そんなSNOOPYらしい一言なのかもしれません。

 校長 荒籾 和成